TMUミス研BBS

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7854370:合宿でやった座談会ログ公開スレ Dr.ブードゥー 2009/10/04 (Sun) 02:30:00
まずは最終日にやった、テーマ移動座談会の内容を公開するよ!
打ち込みながら順番に書いてくから、付け足したいことがあったら、
ここのスレッドに書き足していってね。
どんなに短いレスでも大丈夫だよー。

【座談会の流れ】
テーマごとに机に集まってもらい、議論を進める。
人数と偏りによっては、テーマが少なくなることもある。
20分ごとに、5分の説明タイム、5分の移動思案時間がある。
参加者は、移動時間ごとに、おもしろそうだと思える議題に
移動していくことになります。
参加者が確定したしたら、司会者は次の話し合いに備えて、
話し合われたことのメモを簡単にとりながら話し合いを進めてください。
議論がおわったら、司会者はそのグループの中から、
次の司会者を自薦他薦によって選び、とったメモをもとに、
そのテーマがおもしろそうだと思われるように、
次の司会者と周りの参加者に、それまで話し合われた内容を伝えましょう。


3つだけ気をつけることをいいます。
1、誰かの発言中は口をなるべく挟まず、その人が話し終わってから自分の意見をいうようにしましょう。
2、また小説のストーリーの核心にふれるようなことに関してほかのひとに伝えたい場合は、すこしだけ慎重に発言してみてください。
3、しばしば、問題の論点が拡散して、何を話し合うべきかを見失ってしまうことがあるかもしれません。なので、みなさん全員が議論の舵取りを考え、司会者の方を助けてあげてください。今どのようなことを話し合うべきか、これを考えながら議論を進めてみましょう、そうすればきっと、自ずから有意義な話し合いになっていくはずです。

【テーマ発表】
1「RRPGのルール解析と改善」
今回行った、今村君ほかの考案によるRRPGですが、皆さん一人一人に、「やってやったぞ」「あの時ああすれば」といった何かしらの感想があると思います。みんながどんな思惑のもとにあのゲームに参加していたのか気になりませんか? このグループの参加者には、そんなみなさんの考えを元に、RRPGのルール改正案を考案していただきます。たとえばチーム制のうまい使い方、殺人鬼はどのように振る舞うと全員を殺すことができるか、定石のようなものは存在するのか。このように、ルールの解析から始め、むしろこうすれば盛り上がる、情報の提供はもっと詳しくしたほうがパズル要素が強くなる、などのルール改正について、話し合いは進んでいくことになると思います。

2「クローズドサークルの過ごし方」
7854372:最終日座談会続き Dr.ブードゥー 2009/10/04 (Sun) 02:30:16
特定の人数が、特定の限られた空間に釘付けにされたとき、そこはクローズドサークルと呼ばれる、非常に犯罪を誘発しやすい、もしくは円滑な犯罪の実行を助けるような場所となります。たとえば絶海の孤島、雪山の山荘。あなたは一般人として、もしくは犯罪者として、どのように行動することで、殺人鬼から生き残り、または計画した犯罪を遂げることができるのでしょうか。このグループの参加者は、最も常識的でありながらも、被害者を最小もしくは最大にするために行うべき最善の方法を話し合ってもらいます。この話し合いにも、今回のリアルRPGで培ったみなさんの経験が非常にフィードバックされることになるでしょう。


3「ミステリにおける犯罪に、適切な動機は必要か」
あなたが読み終わろうとするミステリー小説。ついに判明した犯人が罪を自白するとき、どのような動機であればあなたはそれに納得して本を閉じることができるでしょうか。お金、憎しみ、衝動的な理由。大抵の場合に殺人を伴うミステリー小説の犯罪は、しばしば殺人それ自体が「目的」的である場合もあります。ならば小説の中での犯罪は、倫理的にはどのような位置づけをされるべきなのか。これは戦後本格推理の流れに、いわゆる社会派作家たちが棹差した観点でもあります。このグループは、我々が信奉する新本格推理小説が犯罪をどのように扱っていけば良いのか、これに関してより良い回答を引き出してもらいます。

4「完全な完全犯罪」
切り裂きジャック、三億円事件。過去、多くの犯罪が証拠不十分のため、もしくは犯人の仕掛けた巧妙な罠によって、迷宮入りの事件として処理されてきました。重大犯罪検挙率世界トップクラスを誇る日本でも、あなたは十分に気をつけて犯行を行うことで、その事件を解決不可能なものにすることができるかもしれません。人は一般的に、そのような犯罪を「完全犯罪」と呼びます。このグループの参加者は、自分自身がこれから行われる事件の犯人であると仮定した上で、どこに気をつけることで、もしくはどのような方法をとることによって、その罪が当然引き寄せてくるところの、司法の刑罰から逃れることができるかを話し合っていただきます。
7908354:合宿でやった冊子企画募集イベントの結果 Dr.ブードゥー 2009/11/16 (Mon) 00:44:33
<ミス研冊子企画案>(合宿で話し合ったものです)

今までやってきたもの

・サンダイバナシ
・書き出し縛り競作「それは間違い電話からはじまった」
・リレー小説
・企画レビュー(この??が??ベスト5)
・ランキング
・レビュー号”Tamazon”
・座談会収録
・文芸部合同の創作講座

**********

#は最後にやった、「やってみたい」投票の票数です。

1班

・テーマレビューだとTAMAZONと同じになっちゃう
・###みんなで〜小説を書こう
 ex.恋愛小説、ラノベ→ミステリとかけ離れたもので
  ケータイ小説、ただし、この冊子が出ても余り読みたくないかも。
・大学を舞台に競作
・連載
・前に掲載された作品のパロディ
・二時創作(例:クレヨンしんちゃん、ドラえもん)でミステリ
・ミス研部員を小説内に登場させる
・一人一冊子→12ヶ月毎日刊行とか(一号目は小口号)
・生協食堂新メニューをレビュー
・懸賞小説(この謎が解けたら〜)
・投稿作品募集→読者参加型の冊子
・趣味のページ(作者が自分の趣味についてとりあえずずーっと語る。たとえば「ねこの趣味のページ」など。)
・メガネ占い

**********


2班

・#創作ノウハウ本
・ミステリの歴史・傾向
・歴史、ファンタジー、SFでミステリ縛り小説
・ABCの各々の事件、シェアードワールドもの、同一の事件を別の視点から
・####切り裂きジャックなどの実在の事件(もしくはフィクションでもいい。新聞記事を冒頭に創作しておく)をもとに違う真相を創作
・仮想「脱出ゲーム」。問題を提示し、執筆者が答えをつくる。
・ノックスの十戒をひとつずつ、わざと破った作品の集合
・スーパー探偵、名犯人が大集合。図鑑のように。
・##夢オチ、爆発オチなど、オチ縛り小説。

**********

3班

・##トリック指定小説
・##ジャンル、スタイル、設定を指定して小説をつくる。
・####時代設定指定ミステリ
・四季をテーマに小説
・###ドラえもん殺人事件
・リレーレビュー
・茶化し小説
・#10題噺

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7911209:Re: 合宿でやった座談会ログ公開スレ Dr.ブードゥー 2009/11/19 (Thu) 22:53:45
座談会ログ:

【クローズドサークルの過ごし方】
(特定の人数が、特定の限られた空間に釘付けにされたとき、そこはクローズドサークルと呼ばれる、非常に犯罪を誘発しやすい、もしくは円滑な犯罪の実行を助けるような場所となります。たとえば絶海の孤島、雪山の山荘。あなたは一般人として、もしくは犯罪者として、どのように行動することで、殺人鬼から生き残り、または計画した犯罪を遂げることができるのでしょうか。このグループの参加者は、最も常識的でありながらも、被害者を最小もしくは最大にするために行うべき最善の方法を話し合ってもらいます。この話し合いにも、今回のリアルRPGで培ったみなさんの経験が非常にフィードバックされることになるでしょう)



・・・一人が殺され、これから生き残った人間はどのように行動するかを迫られている状況で、


■「生き残りたちが部屋に籠もる場合→」
<犯人側のメリット>
・犯人は準備があるから殺すのはラク
・いざ襲撃されると恐怖がスゴい。部屋から出てしまう。
・推理されにくい(情報断絶)
<犯人側のデメリット>
・準備がないと犯人にとって絶望的
・犯人の属するグループが特定されかねない

<被害者側のメリット>
・物理的遮断(かなり大きな要因)→精神的安定
<被害者側のデメリット>
・毒ガスなど密室状況を利用した殺害方法に弱い
・食糧調達の困難
・部屋から出るタイミングを掴むことが難しい
・情報の真偽を確かめることができない→「火事だ」「助けが来たぞ」などの情報
・犯人側の自由な行動を許してしまう


■「生き残りたちが相互監視状態をつくる場合→」

<犯人側のメリット>
・状況をうまく利用できる(他人に疑いの目を向けさせたりと)
・状況を自らに利するようにコントロール可能であること
・生き残りたちの反応によって臨機応変に対応できること
<犯人側のデメリット>
・殺しづらい(かなり大きい要因)
・反応如何によっては推理されかねない

<被害者側のメリット>
・励まし合えること
・食料が安全に確保できること(若干疑問だが)
・隙が少ない上、各々の行動を把握できるために犯人を絞り込みやすい
・会話によって、含まれている犯人がボロを出す可能性がある
<被害者側のデメリット>
・疑心暗鬼に陥ると精神的に追いつめられる
・たとえば毒などによって大量殺戮される恐れがある
・バトルロワイヤル化する危険性


■これらからの結論
→犯人側は、どちらの場合に転ぶか予想できないため、どちらの場合についても用意すべきことがある。たとえば臨機応変な殺害方法の考案、情報を予め集めておき、実際の展開を予想しておくことなど。

■例外的状況
→籠もっている部屋を個々に破られても、生き残りたちはそれを知らず、対応が打てない場合がある。
→相互監視状態において、疑心暗鬼によって、犯人側は生き残りたちの内部分裂を期待できる。
→よって、部屋に籠もっている状況で更に被害者が増えた場合、相互監視状態に移行する可能性が高くなる。


■被害者側はどのような対応をとるべきか
・部屋に籠もる場合、食料(缶詰など)を部屋に持ち込む必要がある
・部屋に籠もる場合、絶対に扉をあけない精神力が求められる
・どの場合も、各々の荷物チェックが欠かせない。犯人であるならば、状況に対応するために荷物が不可欠であるため。しかしそれは犯人に予想されており、荷物類を隠されてしまっているという可能性は高い。
・相互監視状態の場合、活動を常にグループで行うことなどによってお互いの行動に目を光らせることが求められる。またそれを解放まで行う精神力と、空気を読んだ行動が不可欠である。
7911215:座談会、動機について Dr.ブードゥー 2009/11/19 (Thu) 22:55:38
「ミステリにおける犯罪に、適切な動機は必要か」

(あなたが読み終わろうとするミステリー小説。ついに判明した犯人が罪を自白するとき、どのような動機であればあなたはそれに納得して本を閉じることができるでしょうか。お金、憎しみ、衝動的な理由。大抵の場合に殺人を伴うミステリー小説の犯罪は、しばしば殺人それ自体が「目的」的である場合もあります。ならば小説の中での犯罪は、倫理的にはどのような位置づけをされるべきなのか。これは戦後本格推理の流れに、いわゆる社会派作家たちが棹差した観点でもあります。このグループは、我々が信奉する新本格推理小説が犯罪をどのように扱っていけば良いのか、これに関してより良い回答を引き出してもらいます)


■→動機の5要素
*それによって利益を大、損を小にできる(括りが大きいか?)
*憎しみ
*衝動的な犯行
*それ自体が目的である(快楽殺人など)
*口封じ

<初期議論>
・動機とは結局、書き方の問題ではないか。つまり読者が「これしかない」と思えるようなら、どのような動機も動機として認められるし、またそれがなくても問題はない。
・動機のない殺人とはあるのか→殺人は純粋な手段でなくてもよい。それ自体が目的であったり、より大きな目的のために犯行を行ったということもあるかもしれない。
・どうして殺人は悪とされるのか。なぜなら殺人は「死とう終わり」を暴力的にもたらす手段であり、それは「とりかえしのつかない」ことであるからこそ、罪深いのだ。

<犯罪小説において、犯行に動機が必要な実際的理由>
・動機を材料に犯人を特定することができる場合
・パズル(ミステリ)を「リアル」(小説)へ変化させるために必要。
・しかし状況によっては無動機による犯行は逆にリアルである

<探偵小説における様々な「動機」>
・探偵に、事件を解かせるための動機
・読者に「読ませる」、ページをめくらせるための動機
・何らかの「義務感」(警察として、など)としての動機(これは他と比べて絶対的な動機とは扱われにくい)

<中期議論>
・ホワイダニットは拡散的、フーダニットは収束的である。このとき犯人の動機を求めるホワイダニットは、ストーリー表現に関してさらに深めていくための契機となっているのではないか。
・小説だからホワイダニットを語れるのであって、それがパズルと小説とを分ける。動機によって小説は文学的、社会派的な傾向を強める。
・理解不能な動機があったとしても、その解く過程が充分に論理的であれば、それは推理小説になる要件に足りないとは言いがたい。
・ストーリー性が高まったとき、二時間ドラマ的なものになるのではないか
・時代背景、文化背景によって、動機を求められる度合いは変化している。たとえば人を殺すことが通過儀礼の集団に属している人間にとって、殺人の動機は不要とも思える。
・手段と動機との関係が密接であればあるほど、動機の説得力は増す→半落ち、法月の短編、容疑者X、貫井の短編など。
・見立て殺人を行うためになんらかのことをおこなったという動機もあるかも

<結論>
・どうしてか、という部分がわかったとき、そこには驚きが生まれる。それだけでも、ミステリの要件を満たしていることは確かだ。
・動機はトリックとは対照に、全員が共感できるようになるものではない。常識や理性ではおしはかれない部分も多々あるだろう。